雪に灯す、静夜の揺らめきに想い耽る

市民による手作りで1999年から続けてきた小樽雪あかりの路。
目指すのは、規模の拡大ではなく、「想い」の広がり、そして「心」の繋がり。
雪の中に揺らめくあかりに、癒され、願い、時として祈る。
暖かく、穏やかで、愛に溢れた平和な日々がいつまでも続きますように・・・。
厳寒の2月に、ここから始まった想いをあかりとともに世界中の人々へ届けたい。

手創りのあかりを届けたい

1999年に第1回目が開催された「小樽雪あかりの路」。今や冬の北海道を代表する風物詩に成長してまいりました。
今回も、「人のぬくもり」を大切に、一人ひとりのボランティア、市民が手づくりの「あったかさ」を込めて、訪れた人をおもてなしします。
移ろいやすい時代だからこそ、いつまでも変わらない「あったかさ」を大事にしています。

「小樽雪あかりの路」のスピリット

この北の町に奇跡的に残された小さな古めかしい街並みや、運河で、かつて北海道の開拓を支え、今は用済みとなった旧幌内道―手宮線、廃線跡地を舞台として、厳寒の2月、運河に浮かぶ数百ものガラスの浮き玉のろうそくの灯りは、水面に浮かぶ天の川となり、降り積もった雪の中に無数のろうそくの灯りが揺らめく廃線跡地は、路地裏の銀河鉄道としてよみがえる。
雪の中にほのかにゆらめく、無数の灯りは、一人一人の祈りとなり、願いとなる。
私たちは期間中、このかよわい、ささやかな灯りを絶やすことはない。
この無数の小さな灯りをいつくしみ、一つ一つの小さな祈りを、雪の日も、風の日も守り続ける。

「守りあい、隣り合い、挨拶しあう愛」

ゆらめく、小さな灯りをとおして、このメッセージを、日本中の一生懸命、命を燃やし続けて生きる人々に向かって、送り続ける。

「小樽雪あかりの路」の名前の由来

「小樽雪あかりの路」は、伊藤整『雪明りの路』にちなんで命名されました。

あゝ 雪のあらしだ。
家々はその中に盲目になり 身を伏せて
埋もれてゐる。
この恐ろしい夜でも
そつと窓の雪を叩いて外を覗いてごらん。
あの吹雪が
木々に唸つて 狂つて
一しきり去つた後を
気づかれない様に覗いてごらん。
雪明りだよ。
案外に明るくて
もう道なんか無くなつてゐるが
しづかな青い雪明りだよ。

(伊藤整『雪明りの路』より「雪夜」)

イベントコンセプト

~時代が変わっても、不変なもの~ を大切にしたい。

明治、大正、昭和、平成、令和・・・かつてない激動の時代に翻弄されながらも我々が忘れてはいけない「何か」・・・が、「小樽雪あかりの路」の感動の原点です。

~逆転の発想~ 前に進むだけでなく、立ちどまることも必要なこともある。

高度経済成長の下、かつてはそこから取り残され「斜陽都市」と呼ばれ低迷を続けた小樽。しかし、「小樽雪あかりの路」は、小樽が取り残された街並みだからこそ、これほど人々に感動を与えるイベントが実現できたのです。

キャンドルの灯火ひとつに、「手づくり」の温かさが感じられる。

開催当初から、「さっぽろ雪まつり」とは対照的に、「参加型」「手づくり」にこだわって回を重ねてきました。期間中延べ12万本もの素朴なキャンドルの灯りが小樽の夜を照らし出します。町内会、市民ボランティア、各種団体をはじめ、韓国、台湾等、多くの海外ボランティアも迎え、これらボランティアスタッフの温かなパワーによって、このイベントは成立しています。

ボランティアスタッフの目には見えない努力がイベントの原動力。

延べ2,000人を超えるボランティア・スタッフは、北国の自然に対して人間の叡智のみで向き合います。厳しい寒さの中での会場設営は骨の髄まで凍える作業。予測できない猛吹雪の後には、地道に除雪するしか手はありません。イベント期間中は毎日、一つひとつのキャンドルを設置し、火を灯し、消えるたびにまた一つひとつ手で灯してゆくのです。しかし、その経験を通じてしか生まれない「感動の共有」、「友情」が、スタッフの間には芽生えて行きます。

そして、冬の風物詩として定着した「小樽雪あかりの路」が次にめざすもの。

地域から地球へ。

地域経済、世界平和、地球環境をはじめとする、私たちが進むべき未来に希望を灯すきっかけになりたい。

2018年で第20回を迎える「小樽雪あかりの路」。国内はもちろん、海外にも、「さっぽろ雪まつり」に続く、北海道の冬の風物詩として認知されております。北海道の冬の厳しさと共存してゆく人々の叡智、厳寒地ならではの光景、手づくりならではの人情味溢れたふれあいなど、地域性、人とのふれあい、自然との共存をテーマに毎年少しずつではありますが、成長してきたと自負しております。

「感動の輪」が広がっています・・・

第33回(平成30年度) 国土交通省主催「手づくり郷土賞」(大賞部門)を受賞!グランプリに選定!

国土交通省主催「手づくり郷土(ふるさと)賞」は、地域の魅力や個性を創出している、社会資本及びそれと関わりのある地域活動が一体となった成果が表彰され、「小樽雪あかりの路」は平成16年度に一般部門を受賞し、その後のなお一層の活動がすぐれた取組と認められ、大賞部門に選定されました。また、大賞に選定された3団体の中から「グランプリ」に輝きました。

受賞記念発表会と賞状

また、12月18日(火)に、西條実行委員長と、受賞記念発表会に参加したメンバーが市役所を訪問し、迫小樽市長へ喜びを報告いたしました。

市役所と迫市長とともに。

受賞歴

  • 平成30年度 国土交通省「手づくり郷土賞」(大賞部門)グランプリ受賞
  • 平成22年度 国土交通省「地域づくり表彰」特別賞「日本政策投資銀行賞」受賞
  • 平成19年度 第2回 JTB交流文化賞「最優秀賞」を受賞
  • 平成16年度 国土交通省主催「手づくり郷土賞」(一般部門)受賞
  • 平成15年度 (一社)日本青年会議所「褒賞アワード」最優秀賞受賞

お問い合わせ

小樽雪あかりの路 実行委員会事務局(小樽市産業港湾部観光振興室)
Tel: 0134-32-4111 内線7267
Fax: 0134-27-8600


Mail: yukiakari@city.otaru.lg.jp